稲田哲将 研究所

ISMAR見学メモ:拡張現実、認知強化


福岡で複合現実感(MR)と拡張現実感ARの国際会議ISMARが開催され、一般公開があったので見学に行った。面白いアイディアがあったのでメモ

■拡張現実による消去
拡張現実は、基本的に情報を付加するものだと思っていたが、「上書き」という概念の元で現実にあるものを消すことにも使えることがわかった。視点の違う複数の画像から隠れている部分を補正、三次元化し、消去したいものの背景にある画像と合成することで不要な物体を背後の画像で上書きし消去することができる。背景にある画像を推測する方法によりいくつかのタイプがある。
■消去2 背景の消去
例えば縞模様のある壁紙に画像を投影する際に壁紙の縞模様を消去するような色を投影することによって縞模様を「消去」し、その上に映したい画像を投影する。このような形でどんな模様、形状の面にもきれいな画像を投影することができる。

■マーカーの消去
拡張現実を呼び出すためのマーカーを違和感なく消す(ARのカメラのみ見えるようにする)ことがARの課題の一つ

■プロジェクションマッピングの応用
縞模様などの画像を投影し、ゆがみを認識することで物体の形状を簡単にスキャンできる仕組みの研究が盛ん。
違和感をなくすための投影情報の位置、色、光源及び影の自動補正がホットワード
大型広告をHMDを通してリアルワールドにマッピングし、広告を貼った時にどのように見えるかなどの検証をすることが実用段階での利用方法として展示されていた。

 

ARは知覚の拡張と強化が主題と思っていたが、「上書き」による「消去」の方がビジネス的なニーズと採算性が取れる可能性が高いと感じられた。またマイクロソフトのスマホで可能な3Dスキャナーは現時点ですでに高い実現性を感じられる。また安価な3Dスキャンによって不動産業への応用がいくつか考えられる。過去全天球型の映像などちょっと話題にはなったが現実のニーズがなく衰退していったサービスに比べると必然性が高い

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